デポアイランドは、海やサンセットを眺望することができる憩いの場所であり、地元住民をはじめ多くの観光客が訪れる。しかし、護岸には消波ブロックが敷設されており、観光地としては景観を損ねていることが懸念されていた。そこで、デポアイランド前の海岸に設置された護岸を改良設計することにより、護岸の機能強化と併せて憩いの場を拡張し、公共空間として利活用するとともに景観性を向上させるものとした。護岸改良は、護岸前面のテトラポットをコンクリートにより中詰めし、その上部に現場打ちの張出床版を構築した。また、当該箇所は厳しい塩害環境下にあることから、鉄筋はエポキシ鉄筋、転落防護柵の防錆処理は金属溶射(アルミニウム・マグネシウム合金溶射)を採用した。施工においては、施工箇所が狭隘部になっていることを考慮して施工計画を行い、施工業者と綿密に調整を図ることにより種々の課題を解決し、施工を完了させた。