波照間漁港西防波堤の改修計画(嵩上げ)をするにあたり、既設防波堤の外観調査を行った。調査の結果、全体に縦横のひび割れと、漏水を受け貫通している箇所も確認できた。ひび割れの原因として試験の結果、アルカリ骨材反応によって発生した損傷と判断した。既設防波堤は、反応性骨材によって生じたひび割れから多量の海水(塩化物イオン)の浸透により、アルカリ濃度の増加が繰り返し行われる相乗的複合劣化が生じている。よって、1)既設防波堤反応性骨材抑制対策、2)嵩上コンクリートの水和熱および乾燥収縮抑制対策を行い、既設防波堤の膨張は、鉄筋により拘束する構造とした。