土木構造物の中で、橋台側壁タイプのウィングやため池隅角部の擁壁などは、支持条件より二隣辺固定二辺自由な平板構造に区分され、平板の面に垂直な土圧が作業される。このような支持条件および荷重条件の平板の解析は繁雑であり、ウィングの設計において、道路橋示方書・同解説では、慣用的な方法が採用さえている。板の長さまたは高さは8m以上になると設計が不経済になりやすいことから、「道路橋示方書・同解説」には「8m以上の場合は2辺固定版として設計することが望ましい」という解説もされている。  しかし、土圧のような荷重を受ける2辺固定版の設計手法は未だに確立されていないのが現状である。 一方、等分布荷重を受ける二隣辺固定二辺自由板のフーリエ級数による解析法が東らによって提案されているが、土圧のような荷重を受ける平板構造に直接的に適用することは解析精度上の問題がある。 本研究は、東らが提案した等分布荷重に関するフーリエ級数解の3型を三角形、台形のような 分布荷重を受ける二隣辺固定二辺自由板の解析へ拡張し、平板のたわみ断面力などを求めた。そして、解析結果の応用を図るために、実務上よく使用される固定辺の断面力などを数表としてまとめた、最後に、橋台側壁タイプのウィング設計法について考察を加え、本解析結果に基づく新しい設計法の提案を行った。 平成16年:土木学会 / 担当:金田、高嶺、知念 土圧を受ける二隣辺固定二辺自由板の解析解とその応用[PDFファイル]