土地改良事業において,農作物の栽培に必要な水源確保の目的に貯水池が築造される。一般に貯水池の形式は地上式,掘込式,地下式に分類され,地盤への根入れ深さによって決定される.貯水池の構造形式は,容量および有効水深等を目安に使い分けられ、本県では逆T式擁壁構造による掘込式貯水池が各地域において多数築造されている。貯水池の設計は,通常,土地改良事業設計指針ファームポンド(以下:「ファームポンド」と呼ぶ)に準じて行い擁壁として各部材の設計計算を行う.また,コンクリートの乾燥収縮による有害なひび割れが入らないよう1ブロック9m程度として伸縮目地を設けて計画される。貯水池のような矩形状の施設には隅角部が生じるが,隅角部擁壁の取り扱い及びブロック長等の明確な考え方は示されていないのが現状である.一般部と同様に設計された既存の貯水池隅角部においては,埋戻し完了後たて壁にひび割れが発生した事例報告があった。 平成15年:沖縄県建設コンサルタンツ協会 / 担当:与那嶺、高嶺、金田 堀込式貯水池隅角部擁壁の設計[PDFファイル]