本研究では、アルカリ骨材反応(ASR)により劣化が生じ,供用から約25年経過したプレテンションPC桁に対し、外観調査、コンクリートコアを用いた岩石学的検討、促進膨張試験および圧縮強度試験等によりASR診断を行い、さらに実橋から切り出したPC桁の静的曲げ試験により耐荷性能を評価した.ASRの主原因は,細骨材に含まれる安山岩であるが,一部の隠微晶質石英を含む片岩も関与していた.また、コンクリートの圧縮強度,静弾性係数ともに低下していた.静的曲げ試験の結果,耐荷力の低下は,外観の劣化状況や材料強度の低下が想起させるほどには設計値を下回っていなかった.しかし,初期性能からは低下していた.曲げ剛性に関しては,ひび割れ後のたわみ増加が大きく,剛性低下は顕著に表れた.

平成23年:土木学会 / 担当:金田

ASR劣化したプレテンションPC桁の岩石学的検討に基づくASR診断および耐荷性能の評価[PDFファイル]