沖縄県は、他府県に比べて東南アジアへの玄関として地理的優位性と将来の規制緩和を予測し、那覇空港および那覇港等のハブ化に向け条件整備を行っているところであります。また、那覇地区を中心とした臨港地区における複合プロジェクトも計画されています。 近年の社会経済状況の変化、新技術の進歩等に対応した沿岸域、沖合域を含めた、港湾・漁港の総合的な整備が不可欠であります。このような社会のニーズに応えるために、当社では、港湾・漁港構造物を含めた全体計画の立案・詳細設計・維持管理までの総合的な見地から業務を行います。さらに、今後は、高い技術の確保と産学共同による技術開発も行う予定であります。
波照間島は日本最南端の有人島で、近年、観光客が増加の傾向を示しております。港湾指定された港がない波照間島では、本漁港が島民及び観光客にとって重要な海の玄関口として利用されています。しかし、フェリー岸壁付近は港口からの侵入波の影響で、静穏度が確保できず、特に、冬季の定期船の離着岸は漁船用岸壁を利用する場合が多い状況にあり、その結果、漁船の停泊スペースが制限されていました。そこで、港内の静穏度を確保するため、沖防波堤と波除堤を計画しました。
那覇ふ頭地区小型船だまり泊地内では、台風時の南北方向の風波が発達し、船舶の停泊に支障をきたすため、風波の増大を防ぐ案が検討されていました。
対策工の効果を定量的に把握し、構造形式を決定するために琉球大学で水理実験を行いました。
対策工案は港内の風送距離を短くする目的から波除堤形式で、①直壁タイプ、②消波ブロックタイプ、③浮き桟橋タイプの3案を提案し、実験によってその効果を検証しました。
浜海岸は沖縄本島北部に位置し、東シナ海に面しています。当海岸を含む西海岸一帯は「沖縄海洋国定公園」に指定されています。しかし、国道58号の改修に伴い沿岸の砂浜が消失したため、悪天候時には越波による農作物等への被害を被っています。対策工は防災機能の確実性、海岸へのアクセス、景観、経済性から人工リーフ、養浜、護岸工を組み合わせた工法を採用しました。
本業務は、糸満地区マリノベーション構想(周辺水域の高度利用により「資源管理型漁業」や「つくり育てる漁業」を推進して水産物の安定供給を図ることと、海洋レジャー等の周辺産業に参画することにより漁家所得の向上と水産業地域を活性化させる)を実現するための設計であります。基本・細部設計の内容としては、ふれあいビーチ内の突堤・護岸・上下・中水道・電気設備・緑地等の設計およびビーチ管理運営費の作成であります。