我が国の社会資本の維持管理システムについては、まだ未整備な状況にあり、特に建設コストの高い土木構造物の維持管理は重要な課題として取り組む必要があります。 当社では、既設構造物の調査・試験を行い、その診断結果をもとに、補修・補強工法の検討および今後の維持管理計画について提案を行っています。また、維持管理の最新技術とコンクリートの耐久性について大学と共同研究を継続して進め、その成果を学会・雑誌等に発表しています。
主な調査は、目視による外観調査により既設の劣化状態を把握します。また、コンクリートコアを採取して中性化、塩分、圧縮強度等の室内試験を行い構造物の耐久性評価を行います。さらに、補修および補強工法の検討を行う基礎データを作成し、経時的な構造物の追跡調査ならびに補修計画を立案しています。
本橋は、車両の大型化(TL-25)への対応として、 炭素繊維による床版補強と主桁部材の鋼板増厚 による補強を行いました。さらに、耐震設計の 基準の改定に伴う橋脚耐震性能の向上を目的と したRC巻立工法と落橋防止システム(落橋防 止装置、変位制限装置)の検討を行いました。
海岸線に設置されているボックスカルバートの調査・試験の結果から、塩害による損傷劣化と判断され補修工法としてコンクリート内巻工法を採用し、使用環境等から耐久性向上を図る目的で、エポキシ樹脂鉄筋の使用を計画しました。また、頂版の新設コンクリートは、打設空間が狭いため締固めが不十分となり、将来において劣化の要因(ジャンカ等)となる可能性もあることから、自己充填性に優れる高流動コンクリートで打設する方法により、施工性および品質の向上を図る計画をしました。