沖縄県は、我が国唯一の亜熱帯性気候にあって、例年、台風や梅雨時等の集中豪雨に起因した土砂災害が多く発生しています。また、近年、市街地の拡大に伴って、丘陵地まで宅地化が進み土砂災害を受ける危険性が高まり、土砂災害の予知とその対策が重要になってきています。さらに、地形的には比較的平坦で、高地でも主に丘陵を呈する程度であるが、地質的に島尻層群や琉球層群等の特殊な地盤が分布しており、その性状が建設工事等で問題になる場合もあります。 当社では、各種地すべり動態観測機器(歪計、地盤傾斜計、伸縮計、自記水位計等)、原位置試験機器(孔内水平載荷試験等)、室内土質試験および地盤調査・動態観測の自社開発ソフトや市販ソフトを揃え、あらゆる地盤条件にも迅速かつ正確に対応できる体制づくりに努めています。
西原町内において発生した幅60m、奥行き60m、高低差37m規模の地すべりにおいて、応急対策・恒久対策工事が完了するまでの間、地盤傾斜計2箇所とパイプ歪計3箇所を被災した斜面内外に設置して動態観測を実施し、工事の安全を確認しながら施工を完了することができました。
直接基礎構造とする橋梁計画箇所において支持層の島尻層群を対象とした「地盤の平板載荷試験」を実施し、許容支持力および設計の妥当性を検証しました。
φ150mm以上の岩石を含む地盤の乾燥密度を求めるために「水置換による土の密度試験」を実施しました。
路線測量は、設計計画に基づく中心線を木杭または鋲等で現地に設置して縦横断測量を行うものです。縦断測量は、中心線(法線)上に設置された測点と変化点の地盤高を測定し、中心線に沿って鉛直な面の縦断面図を作成するものです。横断測量は、中心線上に設置された杭の位置で、中心線の接線に対して直角方向の変化点の位置と高さを測定して横断面図を作成するものです。